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「おし、最後にこれを運んでくれ!」
班長の男は台車に乗った2メートル四方の鉄製のコンテナを指す。
「こ、こんなの無理だよ…リフトかなんかで……」
「おまえの馬鹿力なら行けるだろ頼むぞ!」
そういって男はせわしなく働く整備班の人間に指示を出し始める。
「はぁ…」
義裕は諦めてコンテナを運びにかかる。それが全力ならなんとか動かせてしまう重さで、義裕はまた心の中で溜め息をつくのであった。
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-E3・養成所内管制室-
ここは島の防衛システムや警戒システムがいってに集まっている場所である。
「はあ、暇だな…」
モニターを眺めていた若い兵士が、欠伸混じりに言う。
「全くだ。こんな島に攻めてくるやつなんて殆どいないよな。」
同じくモニターを見ていた少し妙齢の兵士が返す。
「暇だな~」
「あ~」
二人の兵士は緊張感なくモニターを眺めている。
「ん?なんだ?」
モニターを見ていた妙齢の兵士が、突然立ち上がる。
「何だ~どうした~」
「いや、さっきレーダーに反応が…」
「気のせいだろ?」
「そうかな?」
「そうだよ。」
それで納得したのか妙齢の兵士もそうだなとそれ以上言うのはやめた。
この時、二人が異変に気付いて対処していればこの後起こる事件は防げていたかもしれなかったが、それを知るよしはない。
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