あぁ……どうして

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今から、20年前の7月3日午後11時……。1人の女の子が生まれた……。だが、その子は泣かない。呼吸もしていなかった……。悲しむ母親の声……。医師は、「やれるだけの事は、します。ですが……仮死産で生まれた子供は、蘇生する可能性は、あまりありません……。ですから……覚悟はしていてください……。」そう言うと医師は、手術室へ行った。母親は、手術室の前で必死に神に祈った……。祈りが届いたのか、その子は泣いた。誰もが、涙を流し、母親は、大声で泣いた。良かった。良かったと……。だが、あらゆる病魔がその子を襲った……。入院中呼吸困難におちいり、再び心臓が止まった……。母親は、医師に「この子を助けて下さい。」と叫んだ。泣きながら、医師に叫んだ……。再び手術室へ運ばれた。母親は、また手術室の前で必死に神に祈った。泣きながら、必死に祈った。神は、母親の祈りを叶えた。その子は、母親が居ない事を感じたのか、必死に泣いた。母親は、その子をギュッと抱き締め、泣いた……。嬉しさのあまり泣いた……。そして、その子は、退院しその女の子は、鈴香と名付けられ、姉の優香は、当時1歳。母親の帰りを喜び、笑った。その後も黄疸・風邪・アトピーなどの病気が彼女を襲った。そして、その子は、沢山の病気と戦いながら、沢山の愛情もらいすくすくと育った。
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