1章:転校初日

5/14
前へ
/126ページ
次へ
「仕方ない、遅刻してもいいから歩いて行こ」 学園に向かって歩き出す華音。 こうまでして華音が、元暴走族であることを隠すのには訳がある。 昔の事を思い出すと、心が張り裂けそうになる。 今から学園に行くのに、暗くなっていては仕方ない。 「なんだ? あれ」 学園に向かう途中の桜並木の坂で、華音はある光景を目にした。 男が二人に女が一人。 誰が見ても、明らかに女の方は困ってるように見える。 「だから、ちょっとでいいから、俺らとファミレスでお茶しない?」 金の短髪男がにやけた顔で女に言う。 「俺らが奢るからさぁ」 合わせて、ドレッドヘアーの男がフォローするように言う。 「あ、あの。遠慮させてもらいます…もう学園に行かなきゃいけないので……」
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

404人が本棚に入れています
本棚に追加