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「仕方ない、遅刻してもいいから歩いて行こ」
学園に向かって歩き出す華音。
こうまでして華音が、元暴走族であることを隠すのには訳がある。
昔の事を思い出すと、心が張り裂けそうになる。
今から学園に行くのに、暗くなっていては仕方ない。
「なんだ? あれ」
学園に向かう途中の桜並木の坂で、華音はある光景を目にした。
男が二人に女が一人。
誰が見ても、明らかに女の方は困ってるように見える。
「だから、ちょっとでいいから、俺らとファミレスでお茶しない?」
金の短髪男がにやけた顔で女に言う。
「俺らが奢るからさぁ」
合わせて、ドレッドヘアーの男がフォローするように言う。
「あ、あの。遠慮させてもらいます…もう学園に行かなきゃいけないので……」
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