404人が本棚に入れています
本棚に追加
全身の血が沸騰しているように熱い。
すでに拳は強く握られ、血が滲んでいる。
ナンパしている男達の所へ向かう。
「なんだぁ? 誰だお前」
華音が近付いて来たのに、今まで傍観していたドレッドヘアーが気付いた。
そして、ナンパされていた女も気付いた。
救いの手が差し伸べられた。
そう女は感じた。
よく見ると、その女はかなりの美少女で。
腰まで伸びたストレートの黒髪に、前髪は眉の辺りで切りそろえられている。
そして、物腰の良さそうな雰囲気。
まさに大和撫子といった感じだった。
「悪いんだけど、そこの子に用があるんだ」
なるべく感情を表に出さないように、華音は言った。
これだけで済むのなら、済ましたい。
出来るだけ華音は、暴力に訴えたくなかった。
「はぁっ? お前、何様のつもり? あんまり首突っ込むと痛い目みるよ?」
「先約なんだ、さっさと消えないなら…」
華音がその言葉を全て、告げ終える前に、金髪の男は、華音に向かって殴りかかった。
完全な不意打ち。だが、華音はそれをかわし、足を掛ける。
最初のコメントを投稿しよう!