1章:転校初日

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全身の血が沸騰しているように熱い。 すでに拳は強く握られ、血が滲んでいる。 ナンパしている男達の所へ向かう。 「なんだぁ? 誰だお前」 華音が近付いて来たのに、今まで傍観していたドレッドヘアーが気付いた。 そして、ナンパされていた女も気付いた。 救いの手が差し伸べられた。 そう女は感じた。 よく見ると、その女はかなりの美少女で。 腰まで伸びたストレートの黒髪に、前髪は眉の辺りで切りそろえられている。 そして、物腰の良さそうな雰囲気。 まさに大和撫子といった感じだった。 「悪いんだけど、そこの子に用があるんだ」 なるべく感情を表に出さないように、華音は言った。 これだけで済むのなら、済ましたい。 出来るだけ華音は、暴力に訴えたくなかった。 「はぁっ? お前、何様のつもり? あんまり首突っ込むと痛い目みるよ?」 「先約なんだ、さっさと消えないなら…」 華音がその言葉を全て、告げ終える前に、金髪の男は、華音に向かって殴りかかった。 完全な不意打ち。だが、華音はそれをかわし、足を掛ける。
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