1章:転校初日

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それに、どの道学園に入れば、名前は明かされる。 普通に過ごしていれば、誰もあの『皇帝(エンペラー)初代総長』の早瀬 華音だとは気付かないだろう。 そこまで考えるのに僅か0.5秒。 頭が良いのは健在な為、余りそっち方面では困る事はない。 華音の顔を伺うような仕草で、少女は答えを待つ。 いわゆる『上目遣い』で…。 まぁ良いだろう。名前ぐらいは。 「早瀬……早瀬 華音だ。お前の名前は、なんて言うんだ?」 「私は、小柳 美咲です。改めて、先ほどはありがとうございました。助かりました」 ペコリと頭を下げる美咲。 それだけなのに、また華音の胸は暖かくなる。 何故なんだろう。 華音は思考を巡らし、胸に手を当てても、答えは返って来なかった。 キーン…コーン…カーン…コーン 校門でノンビリしていると、学園のお決まりなチャイムがなり始めた。
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