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「あっ、あの! ありがとうございます……助かりました」
華音に抱きとめられたまま、少女は頬を赤く染め、感謝の言葉を言った。
「気にするな。たまたま下にいた…それだけの事だ」
素っ気なく、ぶっきらぼうな言葉で返答する華音。
苛ついているのが半分、少女からの熱い視線から逃れる為が半分。
例えるなら、目がハートマークの形になってもおかしくない。
「たまたまだなんて……そんな不細工な言葉で飾らないで下さい。これはそう…運命です! 私達は、運命という太くて熱い絆で結ばれているのです!! 太くて熱いだなんて……嫌らしいわ、私ったら!」
「…………………」
呆れて物も言えないとはこの事だった。
そうしている内にも、彼女の妄想マシンガントークは止まらない。
次々と少女から言葉が飛んで行き、華音の胸を貫く。
「い、いや…だらか。そんなんじゃなくて……、俺は好きで助けた訳じゃーー」
「好きっ!? そんな、いきなり告白だなんて! はぁぁぁ……幸せです! 籍はいつ入れます? 何なら今からにでも! そうです、それが一番いいです!さぁ行きましょう、市役所へ!」
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