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スッと、冷めた目で華音は遊璃に諭すように言った。
「早瀬……華音…。かのん……。…カノン…。どこかで聞いた事のある名前ですね! でも素敵な名前、ゆくゆくは『早瀬 遊璃』になるのですね…キャ! あぁ、楽しみです! ではカノン様、私の事は『遊璃』と呼んで下さい!」
遊璃は、両手をその豊かな胸の前で、合わせ拳を作る様にし、頬を染めて、上目遣いに華音の方を見つめた。
聞いた事がある、と遊璃に言われて、華音は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
一瞬、自分の事を知っていると思った。
しかし、そんな心配も、後に続く言葉を聞いて、それは杞憂に終わった。
「カノン様…。まぁいい、『王子様』と呼ばれるよりはましだな。それよりお前「『遊璃』と呼んで下さい!」……遊璃は、なんで貯水タンクの上に居たんだよ」
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