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力技が駄目なら、話術で言いくるめる。
華音は、腰に抱きつく遊璃に顔だけこちらに向かせた。
「なぁ、悪いが離れてくれねぇか?」
華音の言葉を聞いた瞬間、遊璃の顔が悲しみの色に染まった。
随分と好かれてしまったな、と溜め息を吐きながら華音は思った。
「何故です!? もしかして、もう私に飽きたんですか!? そんな……やっと出会えた『運命の人』のなのに…」
遊璃は今さっき出逢ったばっかりなのに、かなり華音に熱を上げてる為、その拒絶の言葉に大きな落胆を隠せなかった。
「違う、俺が言いたいのは違う…」
「どおゆう意味ですか?」
遊璃の瞳には、微かだが涙が浮かび上がっていた。
「考えろ。今現在、俺達は遅刻している。しかも俺は転校生だ。いつもならいいが、今日はマズい。…意味、分かるな?」
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