404人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「わかりました、名残惜しいですけど、我慢します…。でも、転校生だったんですね。気付きませんでした」
そう言って華音から、離れる遊璃。
しかし安心そうな顔を見て、遊璃は不本意ながらその姿に見惚れてしまった。
流れるような金髪は、太陽の光をいい具合に反射し、光輝いていた。
いけない、私は今悲しいのだ。不機嫌なのだ。カノン様は、ああ言っているが、やはり抱きついていないと寂しい気持ちになってしまう。
…やはり、結婚して籍を入れなければ。
などと行き過ぎた事を遊璃は考えていた。
「まぁな、今日からこの学園の二年生になる」
「年上ですか!? カノン様は先輩でしたか。益々、逢うのが困難になりました! でも大丈夫、そんな障害なんか、私の愛で蹴散らして見せます!!」
そしてまた、妄想ゾーンへ。
カノン様、愛してるだなんて! …私もです! と言いながら、トリップして行く。
流石に付き合いきれなくなり、華音はトリップしている遊璃を放置して屋上から静かにさった。
それが、元暴走族と妄想少女の出逢いであった。
最初のコメントを投稿しよう!