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しばらく話をしていると
悠麻の声が聞こえてきた。
「ごめ…切るね。」
私は溜め息をついて
電話を切ろうとした。
『明日会えないか?』
すぐには返事しなかった。
そして、少し間を置いて
私はそっと口を開く。
「ごめん、雅…もう会いたくないの。何か、悠麻と同じ事してるみたいで嫌なんだよね…」
雅は黙った。
『な、な…んで…何でだよ…何でそこまで悠麻の事ばかり考えるんだ…おかしいぞ、湊…』
「だって…妻なんだもん」
私は力強く言った。
浮気されても、やっぱり好き。
そう自分に言い聞かせた。
「そっか…また何かあったら電話かメール、しろよな。それくらいなら別に構わないだろ?」
私は雅に礼を言って
電話を切った。
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