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ザザーン
ザザーン
絶え間なく繰り返される波。
切れ目のない闇夜にうっすらと浮かぶ眉月。
ぼやけかかった景色を指で拭うと
彼女はおもむろに立ち上がった。
また、にじんでくる涙を無理やりほほ笑みに変えて…
一歩ずつ砂の上に重い気持ちを落しながら歩く。
こぅやって少しでもこの気持ちが軽くなればいいのにな。
あとに残されたのはおぼろながら輝く眉月と
刻印のように深く重く刻まれた足跡…
私は救われるのだろうか。
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