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夕方
「のん、俺ちょっと行くところ出来たから、これ預かってて」
『何!』
「渉(わたる)先輩の新しい眼鏡」
『俺が帰ってくるまでに、先輩が来たら渡して。遅くなるから部室に置いておいてくれてもいいし。」
「うん、部室に置いておくね」
(すっかり忘れて、別の用事をしていた。)
練習終了、
「のん? 先輩の眼鏡何処にやった? 部室に置いてくれたんなら いいんだけど…先輩達探してたんだけど」
『あぁっ。どうしよう。ここにある。』
「マジで! 早く持って行って謝って来い!。着いて行ってやろうか?」
『大丈夫。』
「先輩すいません。あたし眼鏡預かってて、部室に置いておくって言ってたのに」(言い終わらないうちに)
「お前なぁ…俺達何分探してたと思ってんだよ!」
「いいよ。孝之。見つかったんだから。」
『ごめん…な…さぃ。ほんとぅに…ごめんなさい』(泣かないようにしようとすると、涙がとまらない。)
「孝之。お前強く言い過ぎだよ。希美ちゃん毎日、コーチから練習メニュー聞いて、俺達が練習やりやすい様に準備や⚾の補充に頑張ってくれてるんだし、忘れちゃう事もあるよ。」
「そんなつもりじゃなくて…。言い過ぎた。ごめん。」
『私が悪いから…。渉先輩、ごめんなさい。』
それだけ言って 部室を後にした。
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