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アパートから徒歩十五分の
距離に学校がある。勿論、
登校中の同じ学校の制服を
着ている男女もよく見かける。
イヤイヤながら学校の門を
潜って東館のげた箱に到着。
チラッと見ればおはようと
お互い挨拶を仕合ったり、
昨日のテレビ番組の話題で
楽しそうに話している子が
いっぱいいる。
あたしは別にそれが羨ましい
訳でもなく、そそくさに
上履きを履いてその場を
去った。
三年生は全部で六クラスある。
あたしは一番奥の一クラスだけ
列からはみ出している六組に
所属している。どちらかと言う
と女子の方が男子よりも五人
ぐらい多く、六クラスの中で
一番うるさいクラスだ。中には
化粧してる子やルーズソックス
を履いている姐さん、あるいは
髪の毛を茶色に染めてやたら
ワックスを付けてはねまくって
いる男子もいる。普通な格好を
していても嫌がらせばかりする
子もいるから、授業中に真面目
に受けている子なんて五本の指
に入るか入らないかの世界だ。
あたしはそんな不愉快でいっそ
のこと、檻の中に閉じ込めて
大人しくさせたい連中の中で
一日の長い時間を暮らしている
のだ。
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