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午前中の授業はダルい。
言っちゃ悪いがどいつも
こいつも教え方が下手くそだ。
つまらなくて退屈になる。
あたしの家族は学力主義な家柄
で中三の勉強はもう九歳の時に
習っていた。父は自分の会社を
あたしに継がせるために、
どんな手段を使っても自分の
意見を押し通す人だ。
確かに勉強は面白くないし、
嫌々されていたこともあったが
あの頃の父は今と違って笑って
いた。出来るようになったら、
あたしの頭を撫でてくれてた。
大好きな父だったのに…。
医師から私の病気を知った境に
父は変わった。あんなに美しく
咲いていた花が一気に枯れて…
あたしは家に追い出された。
最後に父はこう言った。
「お前のせいで全部台無しだ!
お前はもう、この家にいる資格
なんてない!お前の病気なんか
知るか!もう二度とこの家に
上がるんじゃない!死にたい
なら、勝手に死ね!」
そしてあたしの荷物を外に
放り出し、出て行かされた。
それから1ヶ月は公園に野宿
する生活で、学校は行って
いなかった。孤独で心細くて
追い出されてから初めて泣いた。
そんなことを思い出したら
頭が痛くなってくる。すると
数学教師の松本が寝ているよう
に見えたのであたしを指差したが、あたしは先生がこの問題を
解けと言う前に黒板を三秒
ぐらい見てすぐに答えを言った。先生は悔しそうな顔をし、
舌打ちをした。
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