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「はい」
車から真っ黒な色の表紙の“雑誌”を出して賭に渡した。
「・・・なにこれ」
「週刊ゲームマガジン“ブラックアウト”。その今週の特集ってページの64ページ目の一面、読んでみなよ」
ぱらぱらとめくりだす賭は見つけたのか、音読しはじめた。
「『あなたもおいでよ、“夜な夜な墓場”』?!なにこれ?!ここ、ゲーセンなの?!」
暇の墓のお供えしてある線香を抜く。
「いやゲームカフェ」
ざざざざざーっ。
線香を抜いたところの奥にあった、スピーカーから音がする。
そして。
『・・・はい。誰なんさ?』
「うわ?!墓が喋った!!」
「お前は黙って雑誌見てろ。
あの“哭原”(なきはら)さんですか?暇の連れです。入れて下さい」
『・・・・・・』
何か考えてるのか、沈黙が長く続いた。
『“亡きに死も”』
「・・・“非ず”(あらず)」
ゴウン。
「「え」」
合言葉を言った瞬間、僕らの足元は無くなり、これは僕も予想外だったから、そのマンホールに賭と僕は落ちたのだった。
“夜な夜な墓場”。レンタル制の幻のゲームカフェ。
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