遊戯開始(遊技怪死)

4/7
前へ
/96ページ
次へ
「はい」 車から真っ黒な色の表紙の“雑誌”を出して賭に渡した。 「・・・なにこれ」 「週刊ゲームマガジン“ブラックアウト”。その今週の特集ってページの64ページ目の一面、読んでみなよ」 ぱらぱらとめくりだす賭は見つけたのか、音読しはじめた。 「『あなたもおいでよ、“夜な夜な墓場”』?!なにこれ?!ここ、ゲーセンなの?!」 暇の墓のお供えしてある線香を抜く。 「いやゲームカフェ」 ざざざざざーっ。 線香を抜いたところの奥にあった、スピーカーから音がする。 そして。 『・・・はい。誰なんさ?』 「うわ?!墓が喋った!!」 「お前は黙って雑誌見てろ。 あの“哭原”(なきはら)さんですか?暇の連れです。入れて下さい」 『・・・・・・』 何か考えてるのか、沈黙が長く続いた。 『“亡きに死も”』 「・・・“非ず”(あらず)」 ゴウン。 「「え」」 合言葉を言った瞬間、僕らの足元は無くなり、これは僕も予想外だったから、そのマンホールに賭と僕は落ちたのだった。 “夜な夜な墓場”。レンタル制の幻のゲームカフェ。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加