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狭い通路の奥には、黒い扉があった。
開けると、そこにはテレビとソファーと顔見知りの顔があった。
「暇、客さ」
「・・・ああん?」
「うわ?!酒臭い!」
「~~~~っ」
酷い酒の臭いから、避けるよう通路の方に向かおうとするが哭原さんが僕の手を握っていて、これ以上離れられない。
昼間から飲んでやがったな。暇。
「おっそいよ。君たち。あー無調無調、酒ぇ」
「・・・私のバーボン・・・」
「飲んだ。ロックで。美味かったじぇ」
すっと僕の手を解くと、近くに霧散に転がる瓶を哭原さんは三本一気に片手で取り、そして。
「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪」
ガシャン!!
暇の頭を殴ったのだった。
その瞬間、呆然と見ていた僕らに割れた瓶から酒の残りが飛んできて。
ピチャリと、唇についたのを覚えているが、
そのあとのことは、覚えていない。
僕は酒が苦手なの知ってるだろうに・・・、あの、・・・野郎。
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