徘徊(廃界)

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朝。最近、同居というのがなんなのかわかった気がする。 ジャスト8時。 「賭、朝だ。いい加減起きろ」 この頃の日課は賭を起こしに行くこと。 最近、暇から貰ったなんだっけ、“シャープカットゾーン”というゲーム機をもらい、そのゲームソフトを深夜までやっているから、こいつはこの頃寝坊ばかりだ。だから電気が通るこのビルで寝ているのも理由だけど。 「んん~、・・・今、何時?」 「8時49秒過ぎ」 ごろんと寝返りを打つ。 因みにこのビルには無かったダブルベッドで賭は寝ている。こいつが通販で買った。これも最近。 「後、3時間」 「8時に起こせって言ったのはお前だろ?僕は君の目覚まし時計じゃないんだ」 「・・・・・・ぐぅ」 寝やがった。 「・・・・・・起きろよ」 「・・・きのうは5時に寝たんだぁい。も少し、ね?」 「僕は貫徹だぞ」 「すごいでちゅね~、亜~くんは、えらいえら・・・ぐぅ」 寝ぼけるのも大概にしてもらいたい。例えば。 「パスタ」 「は?」 「・・・・・・ぐぅ」 寝言も意味が分からない。いや、寝言というのは誰しも分からないことを発するというけど。 「暇と約束してたんだろ?ゲーム対戦するって」 「うどん・・・・・・ぐぅ」 僕はこの瞬間ダブルベッドを蹴り飛ばしたのだった。 これも、日課である。
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