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「あっ、雪…」
誰かの声にパソコンから目を離す。一瞬のつもりが、手を止めて見ていた。
「だから寒かったんだねぇ」
隣の人の声に我に返り、
「そうですね」
と当たり障りのない相槌をうった。そして、またパソコンの画面と向き合う。
雪など珍しくもなんともない。
いつもの事だと思いながらも別の景色が重なる。
忘れたくても、忘れられない白い景色――。
「なんで雪なんて降るのよ」
誰かの声がする。
――違う。これは私の声。
少しだけ目を閉じると1年前の私が目を覚ます――。
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