粉雪

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    「また、仕事!?」     「しょうがないだろ」 「会えるって言ったじゃない!」   「だから、謝ってるだろ!」 「何それ…」   「……」 「……」   「…また電話する」     耳に残る規則的な発信音。       もう何回こんな会話したんだろう…。       数えるより先に終わりが見えた。             誰よりも好きで失いたくない人。   だから、私だけを見てほしかった。   本当に仕事忙しいの知ってるのに、会いたいって困らせてばかりだった。           もう無理なら言って欲しいのに…。     なんで『また』って言うの?               また、携帯が離せないよ……。    
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