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「ちょっとゴメンな」  そう言って、先輩は通話ボタンを押した。 「もしもし。……はい。…………部室に居ますけど。…………いやぁ、まだ出来てなくて。………………や、後輩が一人」  ちらっと私を見る。  どうやら部室に誰か居るかを聞かれたのだろう。 「はい?まだ知りませんよ。…………今からですか。……わかりました。正門のとこで待ってて下さい」  先輩はそこまで言うと、携帯をしまった。 「悪い。ちょっと用事が出来たから先に帰るわ」  そう言って、先輩は机の上にあった物を鞄の中に入れ、小走りで教室を出ていった。
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