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 -カランッ。 「いらっしゃいませ~」  お店に入ると女性の声が聞こえてきた。 「あ、すももちゃんじゃない。久しぶりだね」  そう言いながら、一人の女性が私のほうに歩いてくる。 「ども。最近は部室に顔を出してたんで」 「そうなんだ。あれ?繭ちゃんは」 「繭、今日は休みなんです」 「そう。なら今日はカウンターにする?」 「いえ。いつものテーブルで」 「注文はいつもの?」 「うん。お願いします」  そこまで言うと女性は奥のほうに戻っていく。  私は、ここに来た時にいつも座っている窓際の隅のテーブルに座る。
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