3951人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヨシュア。ヨシュアね。
流派はなんていうの?結構な使い手みたいだけど。
どこで誰に学んだの?他にはどんな技が使えるの?
生まれは?
家族は?
ねぇねぇねぇ」
「っ知るか!」
…は?
「な…なによ、ただの質問なんだから何も逆切れしなくたって…」
「うるさい」
えっと…今なんて言った?
うるさい?五月のハエと書いて五月蝿い?
この、私に向かって?
「はぁ!?」
「だからっ!
…っ…知らないって、言ってるだろ」
「さっきから知らない知らないってそればっかり!
あんたのことなんだから知らないはずが…!」
…知らない?
待って、それってもしかして…
ヨシュアが目をそらして、ぽつりと言った。
「…知り合いの話だと、記憶喪失、らしい」
「――…え…?」
「生まれも、名前も、何も知らない。
知り合いが名前を教えてくれたが、これが本当の名前かどうかも俺には判別がつかない…」
「…記憶喪失…?嘘…」
それは…なんて、
…なんて魅力的な物件だろう!!
「ヨシュア!」
いきなり名前を呼ばれてか、ヨシュアがわずかにびくっとする。
さぁ、逃がさない内に確保するわよ。
「私あんたの記憶探すの、手伝ってあげるわ!」
「いや、別に…」
「手伝うって決めたの!」
「いや、だから…」
「女神『シエラレア』に誓ってね!!」
捕まえた。
最初のコメントを投稿しよう!