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「おおぉ…!
美しき女神『シエラレア』のごとく可憐な名前…!
そのおぐしは清き水流のごとく澄み、その瞳はまさに翡翠のごとく…!」
「いつまで続く。」
アーヴァントは立ち上がると、ばしばしと俺の背中を叩いてきた。
「いやぁ~ヨシュいい買い物したねぇ~」
「…言っとくと、買ったのは俺じゃなくてお前だからな」
「え?」
「一億で。」
「なっ…はぁ!?なんでそんな高いの!?」
「私がおやじに借りてた分♪」
「そぉっか~ラクシェルちゃんならしょうがないや~」
「お前簡単だな。」
「俺は全国の女の子の味方なのっ」
何故か睨まれた。
ため息をつく。
何故だろう。
理由はわかりきっていたが、何故かものすごく疲れている。
この場を離れようと向きを変えるのを、目ざとく見つけられてしまった。
「どこ行くの?」
「…疲れたし、寝る。
何も買えなかったから晩飯抜き決定だし」
「じゃあ私もついてく」
「ラクシェルちゃ~んもっとお話ししよぅよぉ~」
「ごめんねアーヴァント、私」
にこ~っと笑っているだろうことが、後ろを見なくても容易に想像できた。
その後に続くであろう言葉も。
「ヨシュアと永遠の愛を誓っちゃったからv」
ぶっ←吹き出した
「えぇ~ヨシュったらこのこのぉ~
恋愛には奥手な奴だと思ってたのに先越されちまったなぁ~」
…悪い。
…その言葉は、正直予想してなかった。
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