‡第Ⅱ章‡現実

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シャワーからあがると、うまそうな朝飯がテーブルに並んでいた。 席には、俺譲りの茶色の髪に黄緑色の左目にミア譲りの赤色の瞳を持ち、いすの背もたれの隙間から朱色の小さく綺麗な尻尾を垂らしている少女が座っていた。 「おはよう、ラッド」 俺はそう言って少女、ラッドの頭を軽く撫でて隣の席に腰掛けた。 「おはよー!!兄ぃ!!」 ラッドは、ミアのことはちゃんと『お母さん』と呼ぶくせに俺のことは兄ぃと呼ぶ。 何でか聞いてもいつも答えてくれない。 まぁ、別に呼び方なんて強制はしないがな。 「さて、いただきましょ」 「いっただきまぁす!!」 「いただきます」 そう言って俺たちは朝飯を食べ始めた。 「あ、ゼクス。さっきクレイさんから電話あって、お昼頃に来て欲しいって」 「んぁ?またかあのじじい……分かった。行くとするよ」
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