‡第Ⅱ章‡現実

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二人が上がったのを確認して俺もシャワーを浴びた。 「いってきまぁす!!」 「はぁい。ラッド、ちゃんとゼクスの言うこときいて離れちゃだめよ?」 「うん!!」 「なるべく早く帰るよ」 「えぇ。じゃ晩御飯作って待ってるわね。いってらっしゃい」 「いってきます」 俺とラッドは、ミアに見送られて爺さんのいる白銀の本部へと向かった。 家からは歩いて約20分のところにある。 白銀の本部は、様々な店のある商業地区の中でも一番住宅地区に近いところにある。 理由は、ギルド利用者の大半が住宅地区に住んでいるため行き来がしやすいようにとのことだ。 「ねぇ、今度はどんな依頼かなぁ?」 「さぁな。爺さん直々だからな。また面倒な依頼なのは確かだな」 「兄ぃ……長い依頼とかやだよ?兄ぃに会えなくなるのやだよ?」 ラッドはそう言うと少し涙ぐんだ。 「そうだな。俺もラッドと会えなくなるのはいやだよ」 「兄ぃぃ……」 ラッドを持ち上げて抱き締めてやると、それに答えるかのようにラッドも強く抱き締めてきた。 「よしよし…ほらほら泣かない泣かない」 「泣いてなんか……ないもん」 「さっさと行って、早くお買い物しよ?な?」 「うん…でももうちょっとこのまま」 「わかった」 俺はラッドを抱え直し歩き出した。 5分もすればラッドはそのまま眠ってしまった。 「強がっててもやっぱまだまだこどもだな」
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