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その後しばらく歩き、商業地区に到着した。
商業地区というだけあって、人で溢れかえり様々なお店や露店がズラッと並び、そこの人たちの客寄せの声が交錯している。
その騒音のせいかラッドは目を覚まして、自分で歩くと言った。
俺は、はぐれないようにきちんとラッドと手をつないだ。
今日は、週1のバザーの日のようで普段は使われていない場所にまで、店が出されていて白銀までの道が封鎖されていた。
「兄ぃ…通れないね」
「仕方ないから遠回りしていくか」
「だね」
白銀に行くには街の中をぐるっと回って行くしかないようだった。
俺達は、折角なのでいろんな店を見ながら少しずつ白銀に向かった。
ドン
「あいたッ!!」
不意に人混みでラッドは誰かの足にぶつかり、尻餅を付いた。
「大丈夫か?悪かったな」
相手の人も自分に非があるといい、しゃがんでラッドを立たせてくれた。
「ありがとうございます」
「いやいや、礼には及ばないよ、ゼクス」
「えっ?…な!?お前は!!」
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