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長老が去った後、3人はその場に留まっていた。
「はーっ…やれやれ」
「でも、何で隠そうとするのかなぁ?」
「よっと……シバ、何か知られるとマズいことある思う」
シバは再び木に登りながら言った。
シバが上る際に落ちた葉が、風に舞っていた。
ロイはその葉を目で追いながら頷いて言った。
「確かにな。隠す必要が無いなら、とっくに言っているだろう」
「それと、何で集落周辺の魔物を倒せるレベル何だろう?」
しばらく考えた後、アイクがまた疑問を口にした。
「よいしょ……南にある、遺跡関係ある思う」
シバが、先程座っていた太い枝に腰掛け、遺跡の方を指差して言った。
2人はその指差した方を見る。
「なる程…あそこは確かに立ち入り禁止だからな」
ロイはその意見に、納得したように言った。
「それなら説明が付くな。あそこには、どんなモンスターがいるかわからないし…今日のシバ、冴えてるな!」
アイクはシバの方を向き言った。
シバは、照れて嬉しそうに頭をかいた。
「まぁ、全ては明日になればわかるだろ。確か試験て武術は自分の得意な武器でやれるんだっけ?」
今度はロイの方を向き聞いた。
「あぁ。それよりシバ、お前魔法の方は大丈夫か!?俺は、攻撃呪文全般得意だし、アイクは雷の攻撃呪文があるから大丈夫だが……」
2人は心配そうにシバの方を見た。
そう、シバは魔法が大の苦手なのである。
「問題ない。シバある呪文習得した。先生に薦められたやつ」
シバは木の上で少し胸を張り、得意気に言った。
「へぇ~どんなのだ?」
アイクが興味津々に聞くが、シバは首を横に振った。
「見せれない。先生と約束した。試験まで誰にも見せない」
「まぁ…その言い方じゃ問題無さそうだな。……さて、日も沈んできたし、帰るか」
ロイがそう言うと、シバは木から降り、3人は村に向かって帰って行った。
辺りは夕陽によって朱色に染まっていた。
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