‡第Ⅰ章‡夢

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長老が去った後、3人はその場に留まっていた。 「はーっ…やれやれ」 「でも、何で隠そうとするのかなぁ?」 「よっと……シバ、何か知られるとマズいことある思う」 シバは再び木に登りながら言った。 シバが上る際に落ちた葉が、風に舞っていた。 ロイはその葉を目で追いながら頷いて言った。 「確かにな。隠す必要が無いなら、とっくに言っているだろう」 「それと、何で集落周辺の魔物を倒せるレベル何だろう?」 しばらく考えた後、アイクがまた疑問を口にした。 「よいしょ……南にある、遺跡関係ある思う」 シバが、先程座っていた太い枝に腰掛け、遺跡の方を指差して言った。 2人はその指差した方を見る。 「なる程…あそこは確かに立ち入り禁止だからな」 ロイはその意見に、納得したように言った。 「それなら説明が付くな。あそこには、どんなモンスターがいるかわからないし…今日のシバ、冴えてるな!」 アイクはシバの方を向き言った。 シバは、照れて嬉しそうに頭をかいた。 「まぁ、全ては明日になればわかるだろ。確か試験て武術は自分の得意な武器でやれるんだっけ?」 今度はロイの方を向き聞いた。 「あぁ。それよりシバ、お前魔法の方は大丈夫か!?俺は、攻撃呪文全般得意だし、アイクは雷の攻撃呪文があるから大丈夫だが……」 2人は心配そうにシバの方を見た。 そう、シバは魔法が大の苦手なのである。 「問題ない。シバある呪文習得した。先生に薦められたやつ」 シバは木の上で少し胸を張り、得意気に言った。 「へぇ~どんなのだ?」 アイクが興味津々に聞くが、シバは首を横に振った。 「見せれない。先生と約束した。試験まで誰にも見せない」 「まぁ…その言い方じゃ問題無さそうだな。……さて、日も沈んできたし、帰るか」 ロイがそう言うと、シバは木から降り、3人は村に向かって帰って行った。 辺りは夕陽によって朱色に染まっていた。
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