タイムトリップその2

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ダメだ、もう逃げられそうにない。 肺は潰れそうだし、脚も上がらない。 なんだか目もチカチカしてきた。 ヤクザになんてなっちまったのが運の尽きだったんだろな。 でも、勉強はからっきし出来なかったし、運動も中の上、見た目だって『悪くはない』って程度だし。 そうなったら結局悪い奴らとツルんで、悪さばっかりしてるしかなかったんだよ。 そうなりゃ、行き着く先は十中八九がヤクザだろ。 もう、生まれたときから俺の人生はこうなる運命だったんだ。 もっとマシな家庭に生まれてりゃ、まだ救いはあったのによ。 それにすら見放されてたもんな。 くだらねえ人生だったよ、つくづく。 うわ、追いつかれた。 もうあの扉をブチ破られたら終わりだ。 それも時間の問題っぽい。 何の価値もない人生だったけど、死ぬのはやっぱ嫌だよな。痛そうだし。 あ、ちくしょう、鍵が壊されちまった。 終わった。 本当に終わった。 あんだけ組の金を使い込んだら生かしておいちゃくれねえだろう。 仮に殺されなかったとしても、そっちの方がひどい目に遭わされそうだし。 どっちも嫌だ。
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