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あの一件から時は過ぎ去り桜の咲き乱れる4月へと話は移る…‥。
私立清楼高校の桜は咲き始めの頃の白っぽさを失い、散り始めの花びらの淡いピンク色で校舎を飾っていた。
校門の前には『入学式』の文字が書かれた手作り縦看板があり、真新しい制服に身を包んだ少年少女達を迎えていた。
そんな中、親からの合格祝いにもらった腕時計で時間を気にしながらも生徒玄関内の『1年参組』のロッカースペースの前で幼なじみを待つ少年の姿があった。
「やっぱり寝坊かな、志由香は…‥?」
思わず漏れる呟きを知ってか知らずか、校門から凄い勢いで走ってくる少女が明るく弾んだ声で彼に呼び掛けた!
「武志、早くクラス確認をしないと入学式から遅刻だよ~!」
「僕と同じ『参組』、志由香の出席番号は2番目!
入学式迄はまだ1時間近くあるから慌てなくて大丈夫だよ!」
「さんきゅ~ぅ!」
少年…‥鈴木武志の言葉に軽く返しながら少女…‥秋月志由香は彼の横を駆け抜けた!
ガ~~ン!
周囲に何かに凄い勢いでぶつかった音が響くと、武志は驚きながら音のしたほうを振り返った!
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