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そこには額を押さえながらしゃがみこむ志由香と、彼女がぶつかったらしいロッカーの戸に手をかけながら驚いた顔をしている長い髪の少女の姿があった。
また、そのロッカーの戸には『1‐参‐01』の文字がおどっていた。
「もうし「ごめんねぇ、急いでいたからぶつかっちゃった~!」」
勢い良く立ち上がる志由香は、その少女が何かを言おうとしているのを遮りながら笑って言った。
「…‥私こそ申し訳ありませんでした」
静かな印象を受ける声で彼女が言っていると、
「サキ、さっきのスゲー音は何だったんだ?」
武志の後ろから長身の少年が現われ少女に声をかけた。
「タク、私のミスで彼女がぶつかってしまいました」
サキと呼ばれた少女はタクという少年に言葉を返した。
「志由香、平気だったか?」
一方武志も幼なじみに声をかけると、彼女も笑って
「私もロッカーも大丈夫だよ~!」
という変な返事を返してきた。
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