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満月が地を見下ろしている。
雲ひとつ無い夜空から予想以上に明るい月光に照らされながら、予備校帰りの少年と少女はゆっくりと地方都市の住宅地を歩いていた。
「受験なんて大嫌~い!」
「近所迷惑と安眠妨害だよ」
小柄な少女は大声で叫ぶと、少女より頭1つ分以上は確実に高い少年はあわてて止めに入った!
「武志も受験は嫌いでしょう?」
「志由香、それは仕方がないよ。
高校からは義務教育では無くなるんだから!」
2人の中学生はそう話ながら住宅地のど真ん中にある大きめの公園へと入っていった。
公園を抜ければ自宅まで近道になる為、幼なじみの2人はよくこうして予備校の帰りは利用していたのだった。
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