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  「どうかな?先の事なんて判んねぇじゃん」      と僕の台詞に倣う君はズルイね。  それじゃあ僕は何も言えないじゃん。    そう思いながら泣いていたであろう君を見やると、君の目は濡れてもいなかった。    何だ、僕の勘違いかと一つ溜め息を吐いて裾で唇辺りを拭って言葉を生み出す。     『約束だよ』      と微笑すれば     「ズルイ奴」      と君。  約束だよ…。僕より先に、この世界から消えないでね?     『指切りしようよ』     「嫌だね」     『意地悪』      フハっと笑って微笑する君の顔、君らしくないけど好きだよ。    
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