16人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、結果論は判ってんだ。
ただ気持ちいいのか、恐怖感が襲ってくんのか…」
『試してみようか?』
微笑して問う僕の一言に君は勢いよく起き上がり、ボサボサの髪のまま真摯な眼差しを向ける。
僕はてっきり驚いているとばかり思っていたから逆に驚かされる。
双眸を合わせて数十秒、何も紡がない君と僕。
僕は踵を返しガシャガシャとフェンスを登る。
「おい、危ねぇぞ」
と、いつもの声のトーンが君らしい。
止めろよ、と普通なら止めるのだろうけど。
止めもしないで、ただ見守り僕の行動を目に映す君。
最初のコメントを投稿しよう!