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そんな僕を見て溜め息一つ吐きポケットから、煙草一本を取り出すと火を点けゆっくりと吸い込む。
君は紫煙と溜め息を混ぜながら言葉を紡ぎ出す。
「あぁ…待ってろ」
そんな呑気な…
と思いながらも素直に頷く僕。
やれやれと面倒臭そうに君は踵を返し、屋上の出入り口の裏へと周り込む。
カシャンカシャンという音がした後、燻る煙草を指に挟んだまま、ゆっくりと僕を迎えに来るボサボサ頭の君。
『なん…で?』
君を仰ぎ見る僕に
「屋上の出入り口の裏にフェンスの扉あったの知らなかったのな、フハ」
と意地悪く笑う処が君らしい。
ってか僕、何だかんだ思っても君に助けられてばっかなんだけどね。
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