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戦場に着いた俺が見た光景は死体が山のように転がっていた。
被害者の殆とが一般人で中には子供や女性がいる。
民家から呻き声がする。
恐らく子供だろう。
ひたすら助けを呼んでいる。
俺はその子の側に行くと母親が子供を庇って瓦礫の下敷きになっていた。
「すぐに助けたる。
まだ死ぬな!あんたが死んだら残されたこの子はどうなる!生きろ!」
「そのお声はまさか王子ですか・・・?
私はニルヴァーナの者です。
王子・・この子をエレンを連れて・・・・。
エレン・・・いつも側にいるわ。愛してる・・・。」
母親はそう言い残し亡くなった。
少女は俺に抱き着き、泣き叫んだ。
「すぐ戻る。それまで待ってくれ。」
少女の姿が昔の俺と被った。
「我は求む、全てを飲み込む闇を。
我が血に従いし死神を統べし王よ。
我が願に応えよ。
我と汝の契約の元に、我が力喰らいて汝が力、我に示せ!
callハーデス!!」
詠唱を終えると黒い球体が俺を包んだ。
暫くして黒い球体が萎んでいき、俺は黒衣を身に纏っていた。
そして少女に元々着ていたコートをかけ、頭を撫でた。
そして俺は魔人のいる方に向かった。
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