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「おいおい、見ろよアイツ。
滅茶苦茶不細工じゃね?」
いつものように罵声を受けながら俺は校門をくぐった
やたら大きく作られたそれは 大金持ちの贅沢に感じられる
ここは『私立聖朝間高校学園広場』
「けどよ?あんな奴見たことねーぞ?ん?まさか……ましゃか!!転校生か?」
そうさ
俺は転校生『白鷺ルカ』
名前だけならカッコいいのにね?
名前負けしてるね
……期待してたのに……
なんて言葉が漏れてきそうだが気にしない
俺は小さい頃から顔の事で罵声を受け続けてきた
バランスが悪い
鼻がでかすぎる
ブタっ鼻
生気が感じられない瞳
etc……
いつも思う
木村たくあんのような顔だったら
速水もつこりーのような顔だったら
こんな心までは醜くならなかったんじゃないかと
朝っぱらからブルーな俺は俯きながら登校口を目指し歩く
地面が好きだから見つめている訳じゃはない
出来るだけこの顔をみんなに見せたくないからだ
『ルカ……ルカ……』
登校口付近
頭の中に直接響くような
そんな音が聞こえた
俺は少し驚き 足を止めた
辺りをキョロキョロと見回す
しかしそこに原因と思われるモノは何一つ無かったに向かう
『ルカ……?フフ……』
また
まただ
また聞こえた
バッと後ろに振り返る
丁度そこには 女子生徒が立っていた
女子生徒はビクッとし 隣の友達であろう人物に耳打ちで何かを話し始めた
まぁ 俺の悪口だろうが
俺は落胆したように息を吐き 昇降口に向かって歩く
『ハハ!かかったな?罠(トラップ)カード発動!!
魔女転性!!』
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