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「━━あ━━しんじまっ━━?」
聞こえる 懐かしい 声が
「━━ま━━どうせ必要ねえヤツだろ」
聞こえる 僕に殺意を与えた
キライな人物の声が
ゆっくりと固まった瞼を両手で開く
黒い世界から白が見える
目が痛い 思わず黒い世界に引き返してしまった
五郎「生きてたか。あぶねー」
笑いながらそう言った彼の顔は歪んでいる
僕はゆっくりと彼の足を掴みながら立ち上がった
五郎「さわんなし!」
殴られた
今度は地面に手を置き それを支えに立ち上がる
生まれたてのヤギみたいに足が震えている
“立つ”という行為を忘れてた感覚だ
五郎「速く ゲーセン行こうぜ?もちろんてめぇの金でな!」
笑い声が聞こえる
勝ち誇ったような 見下されてるような
虚ろな目で彼を見つめる
確かに笑っている 楽しそうに
ソンナに僕を苛めるのが楽しいかい?
五郎「あぁ!?んだよ? なんだてめーのその目はよ!」
怒りに変わった
彼は僕に歩み寄り 僕の胸ぐらを掴み揺さぶる
五郎「あぁ!?なんとか言えよ?」
ミツキ「……からないか」
五郎「あぁ!?」
僕のかぼそい声は届かない
疑問系の彼の声は 僕に唾を撒き散らしながら僕に当たる
彼の腕を掴み ほどく
そんな何気無い行動に気を更に悪くした五郎は僕のことをもう一度殴ってやろうと 右腕を振りかぶった
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