第9話『そして彼は怒られる』

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椿「ほう……ヒトに内なる力なるものあるわけないと言いたいのじゃな?」 そう問うも返事は返って来なかった ならばと言い おもむろにブレザーの下に着ているシャツのボタンを外し始めた椿 ジョージがぶふッと息唾を吐き 食い入るように見つめた そして全てのボタンを外し終えたあと 彼女は深く息を吸い込み 左胸辺りに手を当てる ジョージ「こ……公開おな「言わせねえよ!!エロガッパ!!」 そう言いながらルカはジョージに往復ビンタした 左胸に当てていた手が まるで水面に手を入れたように吸い込まれていく うっとりとした表情を浮かべながら椿は二人の顔を交互に見た 二人は口を開けきょとんとしていた その様子にフフと笑った彼女は 一気に差し込んでいた手を引き抜いた 椿「みよ……この仮面こそが儂の内なる力、即ちジョブを具現化する道具じゃ!!」 彼女の手には 笑みを浮かべるピエロのような仮面が握られていた それこそが ヒトの内なる力を引き出す鍵だと 彼女は熱弁し始める 椿「この仮面はな?ジョブツールと言って 自身の心象領域に必ずあると言われるモノなのじゃ 人間は必ず誰しもが仮面を被り生きておる “自分”というものを忘れておる。 そしてその“自分”を行使するために必要なのがジョブツールの役目なのじゃ」 ルカ「意味わからん」
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