第十話『本当に伝えたかったこと』

2/6
前へ
/88ページ
次へ
俺は今 誰もいない路地を歩いている 暗い 深夜 月の明かり それら全てで感じとる 恐れ 今日 あんなことがあったのに 想像力はいつもの倍に膨れ上がっているというのに 暗い闇の中から出てくるのはどんな異形のモノか それとも理性を失ったヒトか ルカ「はぁ……」 息を深く吸い込み 吐き出す 何故 幽霊番組等を見たあとはあんなに何気無いことが怖くなるのだろう いつもと変わらない日常 場所のハズなのに なんで俺の目の先 三メートル辺りの道路の真ん中に中世的 な装飾が施された赤いトビラがあるのだろう ルカ「はぁ、どうしよう」 ただ小腹が空いたのでコンビニで 何か軽いものを買って食べようとしていただけなのに なんでこんな非現実的なことに合わなければいけないんだろう 「ふごふごふごふごふごふごふごふごふごふごふごふごふごふごふご」 後ろの方から聞こえる 聞いたことのあるような嫌な鳴き声 なんというフラグ このトビラを開けないと俺は後ろにいるだろう魔物に殺られる このドアを通り過ぎようとしたものなら 後ろの魔物が高く跳躍し俺の眼前に立ちはだかり こう鳴くだろう 「ふご」 それは死を知らせる警告音 それはゲームオーバーを意味する効果音 ルカ「仕方ないか」 俺は後ろに振り向かず前だけを 赤いトビラだけを見据えた
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加