第十話『本当に伝えたかったこと』

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化物は一歩 一歩 やたら重みを効かせ歩いてくる 俺の脳みそは ただの警鐘になり言うことを効かない 心と体はやっぱり別の場所にあるんだな ふと思う 体の中に心という意識生命体がいたら 脳に支配されるということになる それとも内部からは干渉出来ないとか? ダメだ 意味不明理解不能なことまで考えてしまう 考える? 頭で考えるんじゃないの? あれ? もう ほんと…… 俺は混乱している そんな混乱に陥ってる間に 化物は俺のすぐ近くに迫っていた あの化物の剛腕が届きそうだ あの気持ち悪いくらいでかい腕で握られ 潰されるのだろうか? それともあのバカでかい腕で 殴打され殺されるのか どちらにせよ 死ぬということに代わりはない 思えば俺の人生は最低という一文字で表せるほど良くなかった 元々 孤児だった俺は 今の家 白鷺家に引き取られた なんであんな不細工な子供を引き取ったかは知らないけど 俺のせいでちょっと ほんのちょっとは迷惑かけたかな それから気まずい親子生活の始まりだ 母さんは自分のことを呼び捨てで呼ばないと殺すよ、と真顔で言うし 父さんは母さんは母さんって呼ばないとお前のアナ〇処女奪うよって言うし…… その頃はア〇ルなんて言葉 もちろん処女なんて言葉も知らなかったけど 恐怖で身がすくんだ 俺の本能が危険って、ね あ、つーか あれ? なんか化物が俺の服を破って……? はぁ!? そうゆう趣味━━!?
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