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ザワザワ………。
???「おーっす!葎っ!」
「ぅぐっ!?」
ドスッと音を立てて、俺は後ろから抱きつかれた。
抱きついてきた相手は一人しか居ない。
「あ~ら~た~か~……っ!!」
クラスメイトの灰梶荒鷹。
「朝っぱらから何しやがるんだこのアホンダラァァァァッッッッ!!!!💢」
メリッ………ガターンッ!!
俺の右ストレートが顔面に炸裂して、荒鷹は吹っ飛んだ。
「見ろ!!お前が抱きついた所為で眼鏡が曲がっただろ!!」
((うわー!自分勝手だな!!∑( ̄□ ̄;)!!))
荒「ごめんって!今度弁償すっからさ!ね?」
((って、何で平気なんだよ!!∑( ̄□ ̄;)!!))
荒鷹が俺を下から覗き込む。
トクンッ………。
普段は格好良いクセに、こういう時は可愛い。
「別に……いい。スペア一応あるし、そこまで高い物でも愛着ある物でもないから」
顔が熱い。
多分真っ赤になってる。
だから分からない様に背を向けて長くなった前髪で表情を隠す。
でも荒鷹はそれを見て俺が怒っていると勘違いしたらしい。
荒「ごめん!ごめん!ごめんなさい!!調子乗って眼鏡壊し…………」
「もういいっ!!」
顔を見られない様に隠そうとした手を捕まれて、反射的に振り払ってしまった。
「あ…………」
荒「り………」
「ごめん!」
荒「葎!?」
恥ずかしくて、荒鷹に申し訳なくて、俺は教室を飛び出した。
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