プロローグ

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ああでもない、こうでもないと繰り返してるうちに結構な時間が経ってしまって、なんだか時間を無駄にしたような気がしたけどなんだか楽しかった。   全部を、両面テープでしっかりと貼ると 私はすごく満足だった。   きっとお母さんは、壁紙がはがれる!って怒るだろうけど、私は満足だった。     すべてを終わらせてから、私はゆっくりと泣いた。   涙がスローロリス。 じんわりと、のったりと、流れる。   夕陽が差している私の部屋は、私を抱きかかえるようにして静けさを守っている。   私はゆっくりと泣いた。   声なんて、出なかった。    
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