1,左目の痙攣

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---------------------   「おい、デブス。こっち見ろよ。」   髪の毛を逆立てながら、私は彼女らを、睨む。   ハーシーズのチョコ、名前を知ってる?   女の子なら甘いものはたくさん知ってなくちゃ。   いい? まずはハーシーズクラッケルでしょ。 これはね、中にライスクリスプが入っててだいぶ脳髄に微炭酸な感じ。   次にハーシーズミスターグッドバー。 ピーナッツがごろごろと入っていて、小腹が空いたときにぴったり。   忘れちゃいけないのはもちろんハーシーズミルクチョコレート。 あの甘ったるい吐き気が好き。   ちょっと通ならハーシーズスペシャルダークがおすすめ。 甘過ぎず、苦すぎず、ハーシーズの枠を超えたちょっと異端児。 私はこれをハーシーズチョコレートとは思えないの。   「見てんじゃねえよデブス。」   飛んだ椅子。椅子は飛ぶんだ。 飛べない椅子はただの椅子だけど、椅子は飛んじゃいけない。 飛んだ椅子は必ず、硝子の破片になるかもしくは       血が流れる。       チョコレートみたいな色をした私の血液が口中に広がってちょっと嫌だ。   あ、そうだ、死のうっと。     -----------------------     「シフォンケーキって…」 マスターの背中に私は語りかける。口に入れた瞬間にほのかにバナナの香りが広がる。 バナナは優しい果物だ。   「本当女の子の味方だよね。」   私は二度、言った。   マスターは笑っている。  
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