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「じゃああたし彼女に立候補しちゃおっかなぁー」
「あ、ずるーい!カナもするー!」
「じゃあ私も立候補」
「はあ?マユミ彼氏いるじゃん!」
「昨日別れたもーん」
こういうの本当に勘弁して欲しい。
俺は顰めっ面になって右手で頬杖を着いて顔を逸らし、視線だけでも窓の外に逃げた。
「はいはいはい!お前ら散れ散れ!邪魔邪魔!ウザい!」
突如、直ぐ傍から男子の声が聞こえた。
頬杖を解いて視線を向けると、男子二人がそこにいて女子達をシッシッと手で追い払っている。
「はあ?またあんた?」
「ほら、衣野にもウザがられてんぞ!みっともねーな面食いクソ女」
「はあ!? 」
女子達は鬼の形相で掃けて行き、俺の周囲に残ったのはその男子二人。
「衣野に不釣り合いな顔して何言ってんだって感じだよなー」
その男子の片方が笑顔で俺に声を掛けてくれた。
かなりストレートな暴言で女子達を掃けさせた人だ。
「5組の女子にも美人いるんだけどさ、その子も色んな奴に言い寄られてて大変そうなんだよなー」
「薪森さんな!」
彼等は俺にはよく分からない話を始める。
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