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ある年の春、俺は衣野家の長男として生まれた。
公務員の親父は俺に対しては厳格な癖に、妹には甘くて露骨に贔屓するエロ親父。
母さんは俺と妹を平等に扱うが、口煩くて少々ヒステリック。
妹は彼氏を取っ替え引っ替えする小悪魔で、兄貴の俺を馬鹿にしている悪魔。
だけど俺は捻くれる事もなく、自分で言うのも何だが明るく素直に育った。
友達も沢山いる。
勉強は好きじゃないけど、身体能力には自信がある。
バスケ部で運動神経と長身を活かして主将に上り詰め、引退前の中体連では全市ベスト4まで行けた。
中学を卒業するまで、明るく楽しく人生を謳歌してきた。
あの瞬間までは。
だけどあの後、俺の人生がこれまで以上に光り輝いた。
新たに素晴らしい親友が出来たから。
君に逢えたから。
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