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「妹の胸の成長ばっか気にするなんてド変態にも程があるね。早くシスコン卒業してよ」
彩芽は哀れむような眼差しを俺に向け、溜息混じりに俺を挑発し返して車へと歩き始めた。
「シスコンじゃねぇよ!勘違いすんなビッチ!」
「きゃあ!」
俺は左手の松葉杖を持ち上げ、松葉杖の先で彩芽の制服のスカートを後ろから捲ってやった。
すると彩芽は両手でスカートの裾を押さえ込みながら勢い良く振り返り、凄い形相で俺を睨み付けて突進して来る。
そしてギプスの先から出ている俺の右足の指をローファーの爪先で軽く蹴りやがった。
「ぎゃああああ!何すんだよ!? 」
「ビッチとか言うからじゃん!」
「骨ずれた!絶対ずれた!」
「るっさいな。折れてないとこ軽く蹴っただけでしょ」
「てめー障害残ったらどうすんだよ!マジふざけんなよ!」
「あんたがセクハラするからじゃん!」
「兄貴に『あんた』言うな!」
「じゃあ『お前』!」
「何騒いでんのよ、あんた達!早く乗りなさいよ!」
玄関先で怒鳴り合いを勃発させる俺達を、車の運転席から母さんが怒鳴り散らす。
妹とのこういう下らない喧嘩は日常茶飯事。
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