慕情

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独りその場に残された男子の元に、何処からか出て来た男子4人がわらわらと集まって来た。 見守っていたのか覗き見していたのか、彼は冷やかしや慰めを受けている模様。 「ブッ!やっぱ振られたんじゃん!」 「あの人サッカー部のキャプテンだろ?モテっから自信あったんだろーな!」 「自意識過剰だっせー!」 葛西と安井がボロクソ言ってゲラゲラ笑っている。 ただの憶測でそこまで言うなよ……。 「お前ら悪趣味だな」 突然、今までずっと黙っていた小木原が低い声で言い放った。 何事かと驚いた俺達3人は丸くした目を一斉に小木原へ向ける。 小木原は俺達の顔を一切見ずに窓辺から離れ、無表情で自分の席へ移動しながら更に続けた。 「あの人よりお前らのがずっとだせぇわ」 そう吐き捨てた小木原は、そのまま窓際2番目の自席に着く。 葛西と安井は顔を見合わせ、気まずそうな様子で各々自席へと散って行った。 あの2人は小木原にムカついたかもしれないけど、道徳的でない事をする友達に厳しく指摘出来る小木原を素直に格好良いと俺は思った。
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