友達

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  5月17日、この日は学校帰りにそのまま西(にし)病院に寄って右脚のギプスを外して貰った。 硬いギプスを電動カッターで切断すると顕になったのは、筋力が衰えた細い脚、そして(すね)の12㎝に渡る手術痕。 窮屈なギプスから解放された清々しさ、あの事故を思い出させる傷の忌々しさ、そして今後への不安感が合わさった複雑な感情が湧き上がる。 「あんな事故に遭って大怪我負わされて、よく前向きに頑張ったね」 そう言って微笑む中年医師は、搬送されて来た俺を処置してくれた恩人。 あの日から今日までの約2ヶ月間、ずっと世話になって来た。 「まだ15なのに偉かったね。慎吾君には私も勇気付けられたよ」 「あ、でも今日で俺16になったんですよ、先生ー」 「え?あ、本当だ。おお、おめでとう」 カルテで俺の生年月日を確認した先生は目を細めて笑った。 「何とかギリギリ間に合ったね。松葉杖はまだ取れないけど。この後は彼女に祝って貰うのかい?」 「彼女なんかいないですよ。家族で外食する程度」 「あら、そうなのかい?でも美男美女一家だし華やかでいいじゃないか。私も混ざりたいよ」 母親は口煩いババアだし、父親と妹は鬼の申し子ですけど、それでも混ざりたいと(おっしゃ)るか?
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