第三章 girl

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「――まあ、これで大丈夫だろ」 ディムは町中を歩きながらミュウを見て言った。 髪を切ってショートカットになったミュウからは、前より活発な印象を受ける。 キアル卿の屋敷へと向かっている途中のことであった。 「でも、せっかくディムさんが編んでくれたのに…」 しかしミュウは落ち込んだ様子で愚痴り続けていた。 ディムはその態度にイライラしつつ、適当に口を開く。 「あー、いちいちうるさいな。そっちの方がお前に似合ってるよ」 ただ単にミュウをなだめるために言っただけだったのだが、それを聞いたミュウは急に笑顔になってディムの顔を見た。 「本当ですか!?なら良かったです…」 ミュウが心底嬉しそうに言うものだから、ついついつられてディムの口元も緩んでしまう。 「あ、ディムさん笑ってる。珍しいですね」 ミュウに指摘されディムはハッと我に帰った。 頬を引っ張り無理矢理表情を崩すが、それを見てミュウはクスクスと笑う。 「どうして笑ってるのを隠すんですか?」 「わ、笑ってなんかねえ!勝手なこと言うんじゃねえっ」 ディムはミュウの頭をぽかっと軽く叩くと、足早に進みミュウから表情を窺われないようにした。 「な、なんで怒るんですかっ!」 ミュウは訳が分からず、ただ頭をさすっているだけだった。
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