プロレスとの出会い

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光雄(みつを)は小学三年生になった。 クラス替えで友達とバラバラになり、新しい友達を探していた。 新しいクラスではどんな友達が出来るのだろうか? 背の順は、20人中で前から3番目。 体重にいたっては20キログラムしかなく、一番軽かった。 小学三年生にもなると、同級生の中でも体力や学力の差が出てくる。 光雄はチビでガリガリに痩せていたから、 体力はまるっきり無かった。 体育の時間では、何をやってもビリ。 しだいに、クラスの同級生からはバカにされるようぬなり、 それが後のイジメにつながる。 最初は体育の時間の時にだけ、 みんなが出来る事が出来ない姿を見られ、 笑われたり、野次を飛ばされたりした。 しかしだんだんエスカレートして、 休み時間にも悪口を言われたり、 時には暴力を振られるようになる。 子供達は、自分より劣っているものに対して、 イジメる事により楽しさを感じてしまう事がある。 年齢を追うごとに、それが子供達の遊びになってしまう。 光雄は友達を作るどころか、 みんなから避けられ、孤独な学校生活を送ることになってしまう。 学校は嫌いになり、授業が終わったら真っ直ぐに家に帰る。 遊びに出かける事もなく、 唯一の楽しみはテレビであった。 学校から帰ったら、毎日のようにテレビを見ていた。 見る番組は、マンガアニメがほとんどで、 後は特撮ヒーロー物の、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズばかり見ていた。 イジメられっ子だった光雄は仮面ライダーやウルトラマンのように、 正義のために悪と戦う姿がとても魅力だった。 大人になったら仮面ライダーかウルトラマンのように強くなって、 悪い人と戦う正義の味方になりたいと誰でも一度は思うはず。 光雄も例外ではなかった。 特に、みんなより背が低く、身体も細く、 喧嘩も弱かったから、ヒーローのように強くなりたいと、人一倍願望も強かった。 夜7時位までは好きなテレビを見ていたが、 八時くらいになると、親や3つ年上のお兄ちゃんにチャンネル権を奪われるため、 好きなテレビは見れなくなり、そのままお風呂に入って、 九時には寝てしまうパターンだった。 そんな時、学校では異変が起こった。 昨日のプロレス見た?すごかったなぁ! と、友達同士で会話している。 プロレスって、何だ?
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